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初めての大規模修繕にあたって

 建物は雨風による錆や地震等の自然災害により必ず劣化します。この劣化をいかに最小限に食い止め、手入れしていくかによって20年、30年後のマンションに大きな差が出てきます。
 したがって、安全で快適な住環境と資産価値を維持するためには、どうしても長期的な修繕計画とその工事費用の積立計画が必要となります。これを長期修繕計画といい、その長期修繕計画の中でおよそ10年毎に外部の共用部分のほとんど、20年毎に給排水設備等を一斉修繕することを大規模修繕工事と言います。当マンション(リバーサイドヴィラ姫島U)も築後10年以上を経過し、最初の大規模修繕工事を行う時期を迎えました。

大規模修繕にあたって、長期修繕計画の問題点
      (客観的見直しこそ第一の課題)

 それでは長期修繕計画に予定された修繕工事を行えばいいかというと決してそうではありません。まずこの長期修繕計画そのものに問題があるのです。
 私たちのマンションでは(多くのマンションがそうであるように)、修繕計画にあっては竣工当初のままのものです。かろうじて積立金計画を改定し、積立金の増額によって来るべき修繕工事の資金確保にあたってきたにすぎません(それ自身重要なことですが)。そして、竣工当初の修繕計画とは建物・設備の耐用年数に即して修繕計画を年度ごとに列挙したものにすぎないといっても過言ではないのです。ここには、築後11年を経過したマンション建物の損傷・劣化の客観的な実態はほとんど反映されていないと見るべきです。もちろん、入居者の生活実感(住み心地など)からくる不満、工事への期待・要望などとは全く無縁なものといえます。
 したがって、最初の大規模修繕を迎えるにあたって、長期修繕計画を抜本的に見直し、建物・設備の損傷・劣化の度合いに見合い、入居者の意見・要望に添い、しかも財政的裏付けを持った新たな長期修繕計画を立案することが第一に重要であると考えます。

大規模修繕工事の主な内容と長期修繕計画

 大規模修繕工事を行うにおいて最も重要なことは建物の構造体の維持です。コンクリートはもともとアルカリ性ですが、長年の風雨にさらされて表面から中性化して劣化します。そしてひび割れから内部の鉄筋まで酸化・錆が進行するとその時点が寿命です(法定耐用年数は60年と定められていますが、もちろん鉄筋が規定どおりの深さにありコンクリートのひび割れが適切に補修されていればの話です)。ですから大規模修繕工事では、外壁のひび割れを補修し、防水処理を補強し、鉄部を含めた表面の塗装をやり直すのが主な内容となります。
 大規模修繕工事のもう一つの内容は、入居者の意見・要望に添って、安全で快適な住環境の整備、社会情勢の変動に見合ったインフラ整備をいかに取り入れるかという問題です。従って、損傷・劣化の度合いに見合った修理が施されるだけでなく、抜本的に見直される箇所(主に設備)も当然あり得ます。
 このような工事が、新たに作り上げた長期修繕計画の最初の年度の修繕工事として行われるのです。

マンションの将来を左右する大事業
 
「自ら創造するマンション造り」へ

 おざなりな今ある長期計画の限りでの修繕工事ですませるかどうか(その方が管理組合役員としては非常に楽なのですが・・・)が、マンションの将来を左右する問題です。最初の大規模修繕が決定的に重要なのです。そしてその鍵を、新たに創り上げる長期修繕計画が握っているわけですが、これには二つの柱があります。

 その第一の柱は、マンションの客観的現実・その実態をいかに総合的に、正確に把握するかという問題です。
 建物の損傷・劣化の度合いについても、技術者による建物調査診断を可能な限り徹底して行うとともに、入居者の日常の生活のなかからの指摘があってより正確な資料を得ることができます。
 また、入居者の生活実感(住み心地の良さ・悪さ等)が反映されなければ、より総合的な把握はできません。

 第二の柱は、マンション入居者の協力共同です。
 先に見たように、マンションの客観的現実を総合的かつ正確に把握する上でも、マンション入居者の参加抜きにはこれを実現できません。しかもその参加は圧倒的多数というところに求められるでしょう。
 したがって、マンション入居者がこの問題をマンションの将来、ひいては自らの生活の将来を左右する問題として関わるという事が重要なのです。より安全で快適な住環境を持ったマンション造りのため、対話を重ね、総意・工夫する。このような協力共同があって初めて修繕計画と工事はよりその充実度を増すことになります。

 もちろんこうした協力共同は、計画立案と工事の過程で実現していくべきものです。そのためにも、今回の計画立案・工事の実施にあたっては、必要な情報はすべて、あらゆる可能な手段をつうじて公開し、対話と討論を積極的に行い、入居者の総意をもって民主的に進めることが、管理組合理事会・大規模修繕推進委員会に求められています。
 重要なことは、こうした協力共同が実現できれば、それは大規模修繕だけにとどまらず、今後マンションが直面するあらゆる問題において、それがどのような困難な問題であっても解決しようとする力をマンションが持つということです。「自ら創造するマンション造り」への一歩が踏み出せるのではないでしょうか。


     2002年7月
                                   リバーサイドヴィラ姫島U管理組合
                                             理事長  森 洋志
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